1. 人馬一体になるためのニーグリップ

人馬一体になるためのニーグリップ

ニーグリップのやり方

バイクライディングでは、バイクとライダーが一体になる「人馬一体」の状態が理想的だと言われています。
いくつもあるライディングのテクニックの中でも、特に重要なのがニーグリップで、ニーグリップをマスターしていればどんな状況でも安定した走行をすることができます。
ニーグリップというのは「knee(ヒザ)・grip(つかむ)」という意味で、下半身を安定させることによってハンドルを自由に切ることができるようになります。

ニーグリップではタンクを両膝で挟み込み、体および車体を安定させることが肝心です。
ニーグリップと言っても、走行中は四六時中、両膝に力を入れていなければならないわけではありません。
バイクに乗る際の基本的な姿勢を正しく保つことによって、不自然な力を入れなくてもニーグリップの状態をキープできるようになります。
上手なニーグリップのコツは、くるぶしを車体にぴったりと密着させることにあります。

こうしておけば脚の広範囲の部位がバイクに密着するようになるので、自然とニーグリップができるようになります。
ニーグリップを上手にやるためには、滑りやすい衣類は避けなければなりません。
滑り止め機能の付いているニーグリップパッドなどを装着すれば、しっかりとバイクをホールドすることができます。

ニーグリップをすると脚が疲れてしょうがないという人は無駄な力が入っていることが多いので、できるだけ快適にニーグリップができるように工夫するようにしましょう。
ニーグリップがちゃんとできるようになると、上半身の力が抜けるので長時間ライディングしていても疲れないようになります。

急制動のやり方

急制動などのハードブレーキングの際には、ニーグリップが非常に大切になってきます。
ニーグリップだけではどうしても弱座の位置が前にずれてしまうので、骨盤を寝かせてシートにしっかりと密着させ、尾てい骨をシートに強く押し付ける感じにすると体への負担が少なくなります。
ライディングの間中、下半身に不必要な力を入れている必要はありませんが、急制動などのシチュエーションにすぐに備えられるように日頃から気を配りながら走行することをおすすめします。

Uターンや低速バランスを取る際などにもニーグリップは大切ですので、長時間のツーリングに出ることが多い人は筋トレなどで下半身を鍛えるようにしておくといいでしょう。
下半身がしっかりしていればいるほど肩や腕にかかる力が少なくなり、楽な姿勢で運転をすることができるようになります。
自動車とは違いバイクは自分の体で支えていないと倒れてしまう乗り物ですので、その辺りを自覚して自分が扱える程度のバイクを選ぶことも大切です。