タイヤの暖機も気にしよう
タイヤは冷えていると性能が発揮できない
バイクはたくさんの複雑なパーツから構成されている精巧なメカですから、快適な走行を楽しむためには常にベストコンディションに保っておくことが大切です。
夏場は温度にそれほど気を使わなくてもいいのですが、冬場は乗る前にまず暖機運転を行うことも重要なポイントです。
暖気というと、エンジンさえ温めればいいのではと思っている人も多いようですが、実はタイヤの暖気にも気を配る必要があります。
タイヤというのは、気温が低い状態で冷え切っていると性能が十分に発揮されないパーツのひとつです。
走行を開始することによって路面との摩擦を繰り返し、タイヤは徐々に温まっていくわけですが、冬場の寒い時は温まるのに時間がかかります。
タイヤが十分に温まっていないと、コーナリングでグリップしないなど事故につながる危険性もはらんでいます。
特に寒冷地に住んでいる人は、十分な注意が必要でしょう。
タイヤの暖気の仕方
タイヤの暖気のやり方は簡単で、最初はまずゆっくりと走り出すようにします。
直線の場所でブレーキングを行い、その後ゆっくり走り出す、そしてさらにブレーキングを何度か繰り返します。
タイヤを何度か収縮させることによって、タイヤ内部の温度を上昇させることができます。
この作業は、他の走行車から見るとやや奇異な感じに受け取られるので、出来れば後続車がいないことを確認してから行う方が無難です。
蛇行して走ることによってタイヤを温められると思っているライダーも、たまにいます。
しかし、バイクレースでウォーミングアップのために行なっている蛇行走行はタイヤウォーマーによってあらかじめ温められたタイヤの熱が冷めないための工夫なので、一般のバイクには当てはまりません。
市販されているバイクのタイヤは「ラジアルタイヤ」と呼ばれているもので、夏でも冬でも幅広い温度に適応するように作られています。
ラジアルタイヤは「夏タイヤ」とも呼ばれていますが、7℃以上の状態での走行を前提として設計されているため、気温が7℃以下の時はグリップ力がかなり落ちています。
タイヤというのは気温が低いとゴムが固まった状態なので、スリップする危険性も考えられます。
冬場はタイヤの暖気に気を配り、走り始めの15〜20分間は急な操作は避け、丁寧に走るようにしたいものです。
ツーリングに行って休憩した後、発進する際もタイヤが冷えてしまっていることがあるので気をつけましょう。
5分間休憩しただけでも、タイヤがすっかり冷え切ってしまうこともあり得ます。
それともう一つ、気温が下がると空気圧も下がりますので、空気圧チェックもこまめに行うようにしたいものです。