慌てず進もう!坂道発進
坂道発進の手順
坂道発進は、バイクの検定にも組み込まれている必須テクニックのひとつです。
坂の途中で一旦停止、その後再び発進させる技術で、特別難しいわけではないのですが、バイク初心者にとっては何となく気の重い作業に間違いありません。
坂道発進で気をつけたいのは、「後ろに下がることはできない」ということです。
市街地を走っていて坂道にさしかかり、渋滞で一旦停車した後発進させるというのが坂道発進のパターンですが、平らな道と同じ感覚で発進させようとするとバイクは後ろに下がろうとする力が働くので、半クラッチを維持してアクセルの回転数を高めに保たなければなりません。
坂道発進をするためには、まず坂道で停車しなければなりません。
この時は、左足を地面に下ろして右足をリヤブレーキの上に置きます。
足を乗せ替えたい場合には、後ろに下がってしまわないようにフロントブレーキをしっかりと握っておきます。
いよいよ発進する際は、リヤブレーキを踏んでバイクが後退しないことをしっかり確認し、次にフロントブレーキから手を離してアクセルをかけます。
2,000~3,000回転をキープしたら、リヤブレーキを踏んだままの状態でクラッチを半クラにします。
リヤブレーキを離せばバイクは発進します。
とはいっても、いきなりリヤブレーキを離すと急に発進してしまい危険なので、加減を見ながらゆっくりと離すことが重要です。
足の指を使って微妙な調節ができるようになれば、坂道発進もスムーズに行うことができるようになります。
後方確認は必須
坂道発進では後方確認が必須ですが、ミラーではなくて必ず目視で確認することが大切です。
目視は、停車状態で行うことが重要なポイントです。
検定試験の際には、「坂道発進を○秒以内に済ませなければならない」といった規定はなく、タイム測定もされないので、焦らずに確実に行うようにしましょう。
エンストしてもあわてないこと
アクセルの回転数を安定させてクラッチを半クラ状態にした時、リヤブレーキを踏んだままでクラッチをつなぎ切ってしまうとエンストしてしまいますので、気をつけましょう。
1速に入った状態であれば、バイクが多少後退したとしても、そのままズルズルと下に下がっていくことはありません。
ですから決してあわてずに、もう一度エンジンをかけ直せばいいのです。
ただし、4回エンストしてしまうと検定中止になります。
ちなみに検定試験では、坂道発進で後退すると減点の対象となりますので注意しましょう。
30cm以上~50cm未満の後退で10点減点、50cm以上~1m未満で20点減点、1m以上の後退で検定中止となります。
確実に押さえておきたい技術ですが、とても難しいわけではありませんから、冷静に臨むことがポイントです。